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川前楯(山形県大石田町) [古城めぐり(山形)]

IMG_0167.JPG←西斜面の四重横堀
 川前楯は、歴史不詳の城である。最上川曲流部北岸の山上に位置し、最上川渡河点を扼する要害であったと思われる。
 川前楯は、標高145m、比高80mのハケツ山全体に構築された山城である。南端に川前観音堂があり、その裏から登って行くことができるが、物凄い藪城で、遺構の確認は大変である。観音堂から北に伸びる尾根を登って行くと、堀切・物見台・二重堀切が築かれ、その先の櫓台の背後に深さ5m程の堀切があり、その上が主郭となる。主郭はほぼ長方形の曲輪のようだが、あまりに薮がひどくほとんど形状が把握できない。主郭の東には小さな腰曲輪群があり、北東に伸びる尾根にも物見台と小郭群がある。その先に四重堀切があるらしいが、薮がひどく未踏査である。一方、主郭の西には比較的大きな曲輪群があり、その西側下方には多重横堀と畝状竪堀が執拗に穿たれている。上段には二重横堀があり、そこから竪堀状虎口と並走して畝状竪堀数本が穿たれ、その下の下段は四重横堀となっている。整備されればさぞかし見応えがある遺構なのだが、如何せん薮がひどいのであまりお勧めは出来ない。
主郭手前の堀切→IMG_0124.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆(藪で☆一つ減点)
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/38.613488/140.347411/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。
タグ:中世山城
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