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平岡館(山形県真室川町) [古城めぐり(山形)]

IMG_4865.JPG←主郭背後の三重堀切
 平岡館は、鮭延氏の家臣柿崎馬乃丞が永禄年間(1558~70年)に居住したと伝えられる。但し館主については、『日本城郭大系』では姉崎能登守、或いは姉崎右馬丞としており、柿崎と姉崎とどちらが正か、よくわからない。いずれにしても、平岡館主は鮭延越前守秀綱と行動を共にしたらしく、1581年に山形城主最上義光によって鮭延城が攻略されると、行方不明になったと言う。

 平岡館は、金山川と西の沢川に挟まれた台地の南西端に築かれている。台地上は「まむろ川温泉 梅里苑」となっており、そこから散策路が館跡まで伸びているので、楽に訪城できる。三角形に張り出した台地の突端を、堀切で分断しただけの簡素な城館で、規模も小さい。主郭は背後に土塁を築き、その裏に三重堀切を穿って防御している。山形に多い中間阻塞型の多重堀切であるが、この三重堀切は普請が中途半端で、3つの堀が階段状に並んでおり、中堀と外堀は非常に浅く、ちょっとした畝程度にしかなっていない。三角形をした主郭の先端には、側方に腰曲輪、尾根の先には段曲輪が築かれているが、いずれも規模は小さい。この他、三重堀切の東側は二ノ郭であったらしく、西側に浅い堀と低土塁があり、土橋らしいものも見られる。以上が平岡館の遺構で、居館と言うよりも物見を主任務とした簡素な小城砦であった様である。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/38.866929/140.278362/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世崖端城
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