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永井城 その2(宮城県石巻市) [古城めぐり(宮城)]

DSCN2218.JPG←東郭外周の二重横堀
(2020年2月訪城)
 2年前に永井城を訪れたが、西側からアプローチした結果、途中で激薮に阻まれ、城の中心部まで到達することができなかった。その後の調査で、八雲神社の境内も城域の東端に当たり、神社境内は整備されているようなので、再訪した。

 八雲神社への参道は、南の尾根にほぼ一直線に伸びており、国土地理院地形図に描かれている通りである。参道途中の東側に、耕作放棄地になった3段の平場があり、これも曲輪であったと思われる。『ふるさとの文化財』によれば永井城の中心部は、西から順に三ノ郭・二ノ郭・主郭・第一控丸・第二控丸(八雲神社)の5郭が並んで構成されていたとされているが、実際の状況を見ると、西から順に西郭・三ノ郭・主郭・二ノ郭・東郭としておきたい。八雲神社境内の曲輪が東郭で、その外周には二重横堀の防御線が構築されている。この二重横堀は、参道のすぐ右手まで伸びている。東郭の西側には、堀切を挟んでニノ郭がある。ニノ郭は耕作放棄地で、雑草が背丈まで生い茂り、進入は困難であるが、ニノ郭東端には堀切沿いに土塁が築かれているのがわかる。二ノ郭の西が主郭で、段差だけで区切られている。主郭も耕作放棄地であるが、北辺に土塁があるのが確認できる。主郭・二ノ郭の北側には腰曲輪が築かれ、主郭の北西部には浅い堀切を挟んで北に張り出した半円形の曲輪が置かれている。この曲輪は前述の腰曲輪よりも一段高くなっている。主郭前面にも浅い堀切が穿たれ、その西側が三ノ郭である。三ノ郭内も段差で区画されて2段に分かれている。この他、主郭・二ノ郭の南側にも段々に腰曲輪群が築かれているが、薮だらけで踏査は困難である。
 以上が再訪した結果、確認できた永井城の主要部で、八雲神社から周った方が遺構が良好に確認できるので、こちらからの訪城をお勧めする。
主郭北側の切岸→DSCN2166.JPG
DSCN2196.JPG←主郭先端の堀切


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タグ:中世山城
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