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星山古城(山梨県北杜市) [古城めぐり(山梨)]

DSCN8542.JPG←背後の堀切
 星山古城は、武川の住人の逃げ込み城と伝えられる。地域武士団「武川衆」の一人柳沢兵部が隠れた場所とも伝えられるが、柳沢氏にのみに留まらず武川衆に関わる人々や付近の村民が戦乱を避けた避難所と推測される。1582年の織田勢の甲斐乱入の際にも使われたのだろう。

 星山古城は、大武川の支流石空川の西岸にそびえる標高969mの尾根先端部に築かれている。東西に北に突き出た山稜があり、それらより奥まった位置にあり、いかにも逃げ込み城らしい立地である。北東麓の緩斜面の台地に別荘地があり、その一番奥から登道がある。しかし途中までほとんど消失しているので、別荘地背後にある北東に突き出た小丘を西側に迂回し、丘の裏の鞍部に回り込めば、そこから堀底道状の登道が明確に残っている。山上に近づくと、北西斜面に穿たれた長い竪堀に至る。主郭はその上にそびえているが、登道は主郭背後の堀切に繋がっている。この堀切は主郭背後の尾根を長く穿っている。山上の主郭は平坦だが小規模で、物見の砦という趣である。主郭背後には細尾根の小郭が続いている。この前面の砦に対し、前述の堀切の南西には広大な平坦地が広がっている。ここは村人の避難場所とされている。この前面の砦と後部の避難所の平地という組み合わせは、城砦の規模は違うものの陸奥柳沢大楯と同じ構造である。縁者や村民を暴兵から守るための必死の抵抗は、どこでも同じだったのだろう。
主郭→DSCN8527.JPG
DSCN8515.JPG←北西斜面の竪堀
後背地の避難所の平地→DSCN8545.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.758589/138.331186/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


山梨の古城

山梨の古城

  • 作者: 岩本 誠城
  • 出版社/メーカー: 山梨ふるさと文庫
  • 発売日: 2017/07/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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