SSブログ

伊豆木陣屋(長野県飯田市) [古城めぐり(長野)]

DSCN1971.JPG←懸け造りの書院
 伊豆木陣屋は、江戸幕府の交代寄合旗本の伊豆木小笠原氏1千石の陣屋である。初代小笠原長巨は松尾城主小笠原信嶺の弟で、1582年に織田信長が武田征伐を開始すると織田方に降った兄信嶺によって、人質として織田家に送られた。本能寺の変で信長が横死すると、天正壬午の乱を経て信濃の過半を支配下に置いた徳川家康に仕えた。1590年に徳川家康が関東に移封となると、それに従って武蔵本庄城に移封となった信嶺と共に本庄に移った。1600年、長巨は徳川家康から伊豆木に1千石を賜り、中世伊豆木城の南東麓に陣屋を造営して居所とした。以後、幕府旗本として幕末まで存続した。

 伊豆木陣屋は、比高10m程の台地上に築かれている。南東から小川を越えて大手の登城道が伸び、枡形を通過して物見櫓横を登っていく。この登城道と枡形、櫓台には石垣が残っている。陣屋の建物の内、敷地内に残っているのは玄関と書院だけであるが、江戸初期に作られた武家書院としては極めて希少なもので、国の重要文化財となっている。書院は珍しい懸け造りの形態で、小笠原氏の文化度の高さを示しているようである。また併設されている資料館には伊豆木小笠原氏に伝わってきた文化財が展示されているが、小笠原流弓馬術の秘伝書や金屏風など、並の旗本とは異なる守護大名家の系譜を継ぐ一族の格式の高さを示している。
登城道と石垣→DSCN2017.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.446276/137.794969/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


信濃小笠原氏 (シリーズ・中世関東武士の研究 第18巻)

信濃小笠原氏 (シリーズ・中世関東武士の研究 第18巻)

  • 作者: 花岡康隆
  • 出版社/メーカー: 戎光祥出版
  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


タグ:陣屋
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント