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御城(栃木県市貝町) [古城めぐり(栃木)]

DSCN3270.JPG←ニノ郭南側の土塁と空堀跡
(2020年2月訪城)
 御(み)城は、歴史不詳の城である。御城とは「実城」の転訛とも考えられる。周辺には市花輪館村上城があることから、益子氏に関連した城だったと推測されている。

 御城は、小貝川と桜川に挟まれた比高20m程の舌状丘陵南端部に築かれている。『栃木県の中世城館跡』所収の縄張図によれば、南端から北に向かって、主郭・二ノ郭・三ノ郭を配置した連郭式の城で、主郭と二ノ郭の間は空堀と土塁で区切られ、ニノ郭と三ノ郭は土塁で区切られているとされる。しかし現地を見ると、土塁は僅かなものであまりしっかり普請された感じではなく、空堀も山道の跡程度のかなり浅いものである。主郭は山林となっていて、一部にわずかな土塁が確認できるだけである。ニノ郭は竹林で、真ん中に小道が通り、南端と北端にわずかな土塁が見られる。三ノ郭との間は土塁の外側に溝状の小道があり、おそらくこれも空堀跡だろう。三ノ郭は、薮と墓地・空き地になっているが、北辺部に浅い堀状溝が確認できる。この他、主郭の南東下方には畑の平場があり、腰曲輪跡だろう。他にも丘陵の両側に民家や畑などに変貌した平場が散見され、これらも腰曲輪跡と考えられる。遺構としてはこの程度で、残念ながらほとんど湮滅に近いぐらい、城郭としての痕跡がわずかである。しかしこんな無名の城でも登り口には城址標識があり、市貝町の他の城と同様、町の史跡保護に関する姿勢が素晴らしい。
ニノ郭北側の空堀跡→DSCN3293.JPG
DSCN3308.JPG←三ノ郭北辺の空堀跡

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.538812/140.105649/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f0


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タグ:中世平山城
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