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鮎瀬氏館(栃木県那須町) [古城めぐり(栃木)]

DSCN9029.JPG←館跡の現況
 鮎瀬氏館は、長者平館とも言い、伊王野氏の重臣鮎瀬氏の居館である。鮎瀬氏は、下野の名族小山氏の庶流長沼氏の系統で、1395年に皆川義宗なる者が那須家を頼って都賀郡皆川館より鮎瀬村(大田原市寒井字鮎瀬)に移り、鮎瀬氏と称したと伝えられている。移住の経緯は不明だが、一族の内訌によりこの地に逃れたものであろうか。その後、次代の義顕が伊王野氏の家臣となり、伊王野に移り住んだと言い、この居館を構築したと考えられている。鮎瀬氏は、永正年間(1504~21年)頃から簗瀬氏・沼井氏らと共に諸記に登場するようになり、特に五月女坂合戦で宇都宮尚綱を討ち取った鮎瀬弥五郎はよく知られている。江戸初期に、伊王野城の大手口に移住したと言う。

 鮎瀬氏館は、黒川と三蔵川の合流点北側の段丘上に築かれている。地勢はよく残っているが、館跡は一面の畑となり、明確な遺構に乏しい。縁に土塁らしいものは見られるが、あまりはっきりしない。昭和20年代前半の航空写真を見ると、台地基部の北西から北面にかけて土塁と空堀があったようだが、現在は湮滅している。館跡には標柱もなく、残念な状況である。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.951521/140.146805/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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