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愛宕山城(群馬県安中市) [古城めぐり(群馬)]

IMG_2733.JPG←主郭東角の張出し
 愛宕山城は、碓氷城とも言い、歴史不詳の城である。旧中山道を押さえる位置にあり、横矢掛かりや馬出しを設けた構造から、武田氏か小田原北条氏による築城と推測されている。1547年、笠原城救援に出撃した関東管領上杉氏の上州勢を小田井原で撃破した武田勢は、一気に碓氷峠を越え、一部を坂本に駐留させて松井田衆と競り合っており、その際にこの城を構築したのではないかと推測されている。また後には小田原の役に備えて、松井田城将の大道寺政繁によって改修を受けたと言う説が一般的である。

 愛宕山城は、刎石山から南東に伸びる尾根の先端の、標高570m、比高70mの位置に築かれている。ほぼ単郭の城で、方形の主郭の周囲に空堀が穿たれて防御を固めている。主郭内部の大半は大藪で進入不能であるが、内部は上下2段に分かれている様である。主郭の東角部は横矢の櫓台が突出しており、南東と北東の堀底への攻撃を可能としている。また台地基部側の北西辺は中央部が外側に張り出し、ここでも横矢を掛けている。この他、南西には丸馬出しが設けられ、その外側は三日月堀が穿たれている。馬出しの南東にも土壇があり、物見台か何かがあったのだろう。主郭の背後の尾根は自然地形に近いが平たく伸びており、外郭として機能した可能性もあるが、先端には江戸時代の堂峰番所の施設があったので、江戸期の改変の可能性もある。愛宕山城は、遺構を見る限り、街道を押さえる防衛陣地として機能していた様である。
 尚、城からやや離れた旧街道の西側には、堂峰番所の石垣などの遺構も残っている。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.356480/138.714838/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


武田遺領をめぐる動乱と秀吉の野望―天正壬午の乱から小田原合戦まで

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  • 発売日: 2011/05/01
  • メディア: 単行本


タグ:中世平山城
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