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玉生城(栃木県塩谷町) [古城めぐり(栃木)]

DSCN4684.JPG←外側のクランクする横堀
 玉生(たまにゅう)城は、宇都宮氏の有力支族である川崎城主塩谷氏の支城である。歌人武将として名高い塩谷朝業の曾孫忠景が弘長年間(1261~4年)に築いたと言われる。忠景は玉生氏を称し、以後歴代の居城となったが、後に宇都宮氏に直属したらしく、いつの頃からか玉生氏は岡本城に居城を移したと言う。しかし玉生城はその後も存続し、1597年の宇都宮氏改易の際に廃城となったと言う。

 玉生城は、玉生宿北西に張り出した比高40m程の要害山に築かれている。主郭には伯耆根神社があり、参道が整備されているので、訪城は容易である。切岸で区画された主郭・二ノ郭から成る小城砦であるが、縄張りはなかなか技巧的である。二ノ郭の周囲には横堀・腰曲輪が廻らされ、南側の横堀の東端は直角に折れて竪堀となって落ちている。また横堀・腰曲輪の外周にも、更に横堀が穿たれており、前述の腰曲輪が横矢の張出しとなっており、横堀はクランクしながら竪堀状に降っている。この横堀の東端も直角に折れて竪堀となって落ちており、前述の竪堀との間は城内通路で繋がっている。二ノ郭からこれら2つの横堀に通じる坂虎口がはっきりと残っている。主郭は、前述の通り神社があるが、社殿背後には大土壇があり、祠が祀られている。櫓台であったのだろう。遺構としては以上で、比高は低く規模も小さいが、横堀竪堀のネットワークは見応えがある。
二ノ郭南側の竪堀・横堀→DSCN4700.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.777289/139.847170/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


関東の名城を歩く 北関東編: 茨城・栃木・群馬

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  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2011/05/31
  • メディア: 単行本


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