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岡本城(栃木県宇都宮市) [古城めぐり(栃木)]

DSC08684.JPG←本丸の空堀
 岡本城は、宇都宮北東、鬼怒川の支流の小河川である九郷半川に臨む段丘上に築かれた崖端城である。宇都宮城北方の防御のため、芳賀高名(禅可)の弟富高をこの地に封じ岡本氏を称した。岡本信濃守富高は、芳賀氏の一族として宇都宮氏麾下の軍事集団、紀清両党の清党の一翼を担った。足利家の内紛である観応の擾乱では、宇都宮公綱の配下として駿河薩埵山の合戦で戦い討死した。その後の岡本氏の事跡はその子正高が武蔵野で討死と伝わるだけで、はっきりとは残っていないらしい。いつの頃からか岡本城には玉生氏が入った。1597年に宇都宮氏が改易されると廃城となった。

 城跡は現在の岡本北小学校の北にあり、現在は本丸を除く一面のほとんどが畑となっている。本丸は薮化しているが遺構が良く残っていて、周囲を囲む土塁と南側の虎口、そして横矢の掛かった空堀が明瞭に残っている。堀は規模が大きく、深さ5m以上はあろう。ただ西側はかなり埋もれているのか、やや浅くなっている。そのほかに本丸南側の崖沿いに土塁と空堀の一部がわずかに残っている。空堀は畑の横に2本残っているが、もう一つ、岡本北小のすぐ北を通る道も堀跡であろう。国土変遷アーカイブの昭和20年代の写真を見ると、本丸の空堀以外に4本の堀があるのを見ることができるので、もとは5本の堀が取り巻いていたようである。直線的な堀で幾重にも囲んだ縄張りは、岡本富高の兄芳賀禅可の居城飛山城との類似性を感じさせる。
 あまり期待していなかったが、本丸の空堀の規模が大きく予想外にダイナミックな遺構が残っていたのでビックリした。こんな素晴らしい遺構が、宇都宮中心からさほど離れていない住宅地の脇に眠っているとは・・・。
畑の脇に眠る三ノ丸土塁→DSC08673.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.615166/139.950972/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

※2010年度の発掘説明会の様子はこちら
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ノリパ

知らないところにあるんですね、意外なところが。
・・・そして消えていった。まるで春の夜の夢のように。
すみません、パクリそのままですね。
でもいい言葉ですね。
by ノリパ (2009-02-12 18:51) 

アテンザ23Z

そう言われるとかえって恥ずかしいです。
ホントはもっといい言葉を思い浮かべられれば良いのですが、
文才がないもので・・・。
by アテンザ23Z (2009-02-12 21:22) 

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