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柚木城(石川県金沢市) [古城めぐり(石川)]

IMG_4973.JPG←主郭~二ノ郭間の土橋・堀切
 柚木城は、歴史不詳の城である。現地解説板によれば、尾山御坊と越中を結ぶ最短経路(三の坂道)の途中に位置しており、16世紀後半に築かれた城と推測されている様だ。

 柚木城は、標高200m、比高80mの山上に築かれている。城跡は現在、直江谷健康の森の一部となり歴史広場として整備されているので、迷うことなく訪城できる。多数の曲輪群で構成された城で、頂部に縦長の長方形の主郭を置き、北東の斜面に二ノ郭群を築いている。主郭は南西隅に櫓台を設け、西辺に低土塁を築いている。二ノ郭群は3段の平場で構成され、主郭との間に堀切を穿ち、南端に土橋を架けている。二ノ郭群の両側には腰曲輪が築かれ、主郭との間の堀切は北側の腰曲輪に繋がっている。二ノ郭群の下には横堀が廻らされ、防御線を築いている。この横堀は二ノ郭群の右側面まで伸びている。横堀の外周にも緩斜面の曲輪があり、北東の尾根には小堀切も見られる。二ノ郭群右側面の横堀の外には、登城道を兼ねた帯曲輪があり、その先に虎口が築かれて、主郭・二ノ郭間の土橋脇の虎口郭に至る。この虎口郭は主郭東側の腰曲輪にも繋がり、最上段には南と東に低土塁を築いた東郭がある。ここから南東に伸びる尾根に小郭群が連ねられ、尾根先端に物見のような平場が築かれている。以上が遺構の概要で、柚木城は薮も少なく、遺構が明瞭で見応えがある。遺構を見る限り、織田氏勢力の介在はなかったらしく、織田勢の加賀制圧以前に機能していた城と考えられる。
二ノ郭群下方の横堀→IMG_4982.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.569166/136.758800/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世山城
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