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河島山楯(山形県村山市) [古城めぐり(山形)]

DSCN5816.JPG←一の丸の空堀
(2020年11月訪城)
 河島山楯は、河島山遺跡の一部で、古代のチャシ跡と考えられている。河島山遺跡は、この楯跡のほか古墳や経塚があり、旧石器時代から室町時代にまで至る広範な山全体に及ぶ複合遺跡である。

 河島山楯は、河島山の山頂部に築かれている。150m程離れた長円形の2つの曲輪で構成されている。一の丸と呼称される曲輪は標高194mの山頂にあり、外周に土塁を築き、その外側に空堀を廻らしている。一方、二の丸と呼ばれる曲輪はそこから南東にある峰に築かれている。二の丸は二重の空堀を廻らし、北東に扇状に曲輪を付随させた構造の様である。一の丸、二の丸ともに横矢掛りなどは見られない、簡素な構造の城である。
 尚、河島山遺跡は県の指定史跡であり、散策路も整備されているので、河島山楯も整備されているかと思いきや、城までの道は整備されているものの曲輪の内部は全く未整備のガサ薮に覆われ、遺構の確認が非常に困難で空堀以外の構造をほとんど把握することができなかった。かなり残念な状況である。
一の丸の土塁→DSCN5820.JPG
DSCN5843.JPG←二の丸の二重空堀

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:【一の丸】
    https://maps.gsi.go.jp/#16/38.486433/140.353400/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
    【二の丸】
    https://maps.gsi.go.jp/#16/38.485526/140.354708/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。


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タグ:古代山城
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