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朝倉山城(長野県茅野市) [古城めぐり(長野)]

DSCN1039.JPG←堀切と東郭
 朝倉山城は、塩沢城とも言い、武田氏の家臣塩沢氏の居城である。1542年の諏訪攻略後、大門峠の戦いで軍功のあった家臣塩沢安兵衛がこの城を築いて守ったと伝えられる。安兵衛の後はその子塩沢将監が引き続いて朝倉山城を守備した。

 朝倉山城は、標高1087m、比高140m程の山上に築かれている。東と南に登山道が整備され、案内板も出ているので迷うことなく登ることができる。城内は薮払いされているので、遺構は非常に見やすい。頂部に土塁で囲んだ円形の主郭を置き、その周囲に数段の腰曲輪を廻らし、北・南・東に曲輪群を配置した縄張りとなっている。北の尾根には2本の堀切と小郭を挟んで舌状の4郭がある。その先の尾根にも竪堀・堀切・片堀切が穿たれているが、いずれも規模は小さい。また主郭の南には、堀切を挟んで細長い二ノ郭がある。二ノ郭は中央に仕切り土塁が走り、その南に片堀切が穿たれて、南の三ノ郭との間を区画している。その先は浅い堀切3本で区画された小郭群が続いている。一方、東尾根には城内で最も大きな堀切が穿たれ、その先に東郭が置かれている。ここは展望台としてベンチが置かれ、木が切り払われており、眼前には八ヶ岳連峰の雄大な景観を望むことができる。東郭の先にも腰曲輪群が何段か築かれている。以上が朝倉山城の遺構で、多重堀切で防御すているが、主郭周り以外の堀切は浅くささやかなもので、防御性は限定的である。戦国期の武田氏の城にしてはあまり防御性が高くない縄張りで、もともと諏訪氏勢力が築いた城を、若干改修してそのまま使い続けただけだったのかもしれない。

 尚、城の南西にある塩沢寺に、塩沢将監の墓が残っている。
堀切で区画された曲輪群→DSCN1011.JPG
DSCN2794.JPG←塩沢将監の墓

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.039183/138.212214/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


宮坂武男と歩く 戦国信濃の城郭 (図説 日本の城郭シリーズ3)

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