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福原西城(栃木県大田原市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN5984.JPG←主郭の土塁
 福原西城は、よく参考にしているHP「新 栃木県の中世城郭」のmasakiさんが新発見した城である。福原城から谷を挟んだすぐ西の山上に築かれている。思えばこの地域には、武茂城松野城など谷を挟んで築かれた複数の城で構成された城が散見され、この地域の築城法の一つのトレンドであったのかもしれない。特に平地の城館とセットになった松野城は構成がよく似ている。

 福原西城は、前述の通り福原城から谷を挟んだすぐ西の比高40m程の山上に築かれている。この城へ行くには、城の西を通る県道167号線から東に入る林道を進み、その林道が南に曲がる付近から道を外れて北東に尾根を進んでいけば到達できる。約40mの長さの自然地形の尾根を隔てて離れた東西2郭から構成されている。西側が主郭、東側が二ノ郭である。主郭は背後に空堀を穿ち、土塁で囲まれた瓢箪型に近い曲輪である。中央付近の南北に虎口が築かれている。背後の空堀から南に向かって竪堀が落ちている。主郭の前面にも堀切がある。二ノ郭も、主郭と同様に背後を空堀で穿ち、土塁を築いて防御している。しかし独立性の高い堡塁として築かれており、後部には高土塁で構築された櫓台を持ち、曲輪内部は東に向かって3段に分かれて徐々に降っている。従って櫓台の上からは郭内に侵入した敵が丸見えである。主郭・二ノ郭のいずれも外周には帯曲輪状の平場が囲んでいる。
 福原西城は、小規模な城砦であるが、空堀と土塁囲郭があり、明確な普請がされていて城跡であることが明らかである。
二ノ郭の空堀→DSCN6034.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.799612/140.066167/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


関東の名城を歩く 北関東編: 茨城・栃木・群馬

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  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2011/05/31
  • メディア: 単行本


タグ:中世山城
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