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加賀美氏館(山梨県南アルプス市) [古城めぐり(山梨)]

DSCN2664.JPG←法善寺前の水路
(2020年8月訪城)
 加賀美氏館は、甲斐源氏の一族加賀美次郎遠光の館である。遠光は、甲斐源氏3代清光の3男で、加賀美荘を領して加賀美氏を称した。遠光はこの地を本拠に、峡西地方・鰍沢・塩山を支配して強大な勢力を誇った。治承・寿永の乱では、1180年の源頼朝の挙兵以来、甲斐源氏の有力な武将として活躍した。『吾妻鏡』によれば、1185年の小除目で遠光は信濃守に任じられた。頼朝が奥州藤原氏を滅ぼした奥州合戦にも参陣した。1192年、頼朝の永福寺供養に甲斐源氏の一族と共に供奉し、また頼朝の次子実朝の誕生を祝う五十日百日の儀では遠光も嘉儀に預かっており、頼朝に大いに信頼されていたことがうかがわれる。しかし甲斐源氏の勢威伸長を頼朝は危険視し始め、甲斐源氏の一族は次々と粛清されていった。遠光の子秋山光朝も死に追いやられたが、遠光は粛清されることなく長寿を全うし、1261年に74歳で没した。

 加賀美氏館は、法善寺の寺域にあった。法善寺は遠光の館跡に孫の遠経が建立したと伝えられる。法善寺の南と西には堀跡と思われる水路が廻らされている。しかしそれ以外に明確な遺構は見られない。遺構はないものの、寺域は広く、往時は広大な居館であったことがうかがわれる。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.603213/138.485187/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1




タグ:居館
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