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下川井城(栃木県那須烏山市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN3866.JPG←堀切と南の小郭
 下川井城は、下野の名族那須氏の庶流川井氏の居城である。築城時期は不明だが、伝承では那須友家が上川井城と共に築城したとされる。1521年11月、岩城常隆・白河義永が宇都宮氏の加勢を得て那須領に侵攻し、上川井城を攻撃した。烏山城主那須資房の家臣川井(下川井)大膳掾は、上川井出雲守・熊田源兵衛高貞らと協力して防戦したと言う。1590年に那須氏改易と共に廃城となった。

 下川井城は、江川と岩川に挟まれた比高50m程の丘陵上に築かれている。登道がよくわからなかったので、西側の取り付きやすそうな山林の斜面から登った。城は、中央部が細くくびれた部分を境に、南北2つの郭群で構成されている。北が主郭、南が古本丸とされる。主郭も古本丸も外周を横堀と腰曲輪で囲んでいる。古本丸の南端では横堀が堀切となって尾根を穿ち、その南に独立堡塁状の小郭を置いている。小郭の先も堀切で分断している。また小郭と古本丸の間の堀切からは、西斜面に向かって竪堀が落ちている。竪堀は、古本丸北東の外周斜面にも見られる。古本丸と主郭の間には独立堡塁状の曲輪があり、前後を堀切で穿っている。主郭には土塁が廻らされ、東から北にかけて2段の幅広の横堀が構築されている。主郭の北に続く尾根には堀切がなく、後方の防御構造が貧弱である。
 下川井城は、堀跡などの表示があるので過去に整備したことがあるらしいが、その時に高木を伐採してしまった様で、日当たりが良くなった一方、整備を継続していないため、薮がひどくなってしまっている。そのため、横堀・土塁・堀切などがよく残っているものの、遺構がわかりにくくなってしまっている。残念な状況である。
主郭周囲の横堀→DSCN3972.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆(薮で☆1つ減点)
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.694567/140.103579/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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