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下石橋館(栃木県下野市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN2699.JPG←館跡の現況
 下石橋館は、歴史不詳の城館である。位置関係から多功城の支城であったと推測されている。この館のすぐ脇には近世の日光街道(中世の奥大道)が通っており、宇都宮氏にとって南の小山氏の侵攻ルートに対する関門的な役割を持った城館であったことがうかがえる。実際に1380年の裳原合戦では、小山義政にこのルートから進撃されている。裳原合戦での侵攻を受けて、宇都宮氏がこの館を築いた可能性も考えられる。但し、必ずしも中世館跡とは断定できないらしい。

 下石橋館は、国道4号線西側の工場団地の中にある。2000年頃までは山林のまま残っていたようであるが、現在は完全に更地化されてしまい、遺構は完全に湮滅している。往時は、東辺が斜めになった台形状の曲輪があったらしく、四周に廻らされた空堀のみが残存していたと言う。しかし土塁がなかったことから、前述の通り中世館跡とは断定できなかったと言う。それにしても更地化するにあたって発掘調査も行わなかったのだろうか?もし全く発掘調査を行っていなかったとしたら、現代の行政対応としては怠慢の謗りは免れない。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.418805/139.861021/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


中世宇都宮氏 (戎光祥中世史論集9)

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タグ:居館
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