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鳴神山城(栃木県那珂川町) [古城めぐり(栃木)]

DSCN4276.JPG←腰曲輪と主郭切岸
 鳴神山城は、歴史不詳の城である。『日本城郭大系』を始めとする城郭関係の書籍には全く記載のない城であるが、お城巡りの先達余湖さんのHPによれば、地元では城跡であると認識はされているらしい。

 鳴神山城は、標高260m、比高130mの山上に築かれている。武茂城の北東1.3kmの位置にある。この城に行くには、城の北尾根に登る未舗装路が西側の車道から付いているので、それを車で登り、尾根上の空き地で車を降りて尾根伝いに辿っていけば、大した高低差もなくお気楽な訪城ができる。この背後の尾根を辿っていくと、緩斜面の東側方に土塁状の小道が通り、西側には高台となった土壇が見られる。更にその先にも西側に土壇がある緩斜面がある。自然地形にも見えるが、城に関連する遺構である可能性も捨てきれない。更に尾根に沿って登っていくと、土橋の架かった堀切が現れ、ここからが本城域となる。城は、山頂に主郭を置き、周囲に腰曲輪を廻らし、南に二ノ郭、三ノ郭を連ねた縄張りとなっている。前述の堀切の先は平坦な斜面が広がり、そのまま主郭北側の腰曲輪に通じている。腰曲輪の手前には、動線を制約する竪堀が穿たれている。腰曲輪の東端には横堀が穿たれている。横堀はそのまま主郭の北東斜面を走り、東の堀切まで繋がっている。東の堀切から先は、武者走りの小道が伸び、短い横堀を経由して二ノ郭東側の帯曲輪に通じている。二ノ郭は先端に堀切を穿ち、東側に坂土橋を設けた虎口を築いている。三ノ郭は傾斜した曲輪で、その先端にも土橋を架けた堀切を設けている。二ノ郭の北には主郭腰曲輪があり、主郭への登道が付いている。この腰曲輪は西に長く伸びている。主郭は2基の祠がある平坦な曲輪であるが、西側は切岸不明瞭でだらっとした斜面となっている。西尾根にも堀切が穿たれている。鳴神山城は、腰曲輪・堀切・竪堀・横堀などが明瞭であるが、普請の規模は小さく、全体に中途半端な印象が拭えない。野戦築城された陣城だったものだろうか?
横堀→DSCN4239.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.748315/140.182049/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世山城
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