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上郷要害城(栃木県那珂川町) [古城めぐり(栃木)]

DSCN7765.JPG←円弧状堀切と竪堀
 上郷要害城は、下郷要害城を本拠とした大山田氏の支城と推測されている。下郷要害城から北北西約3kmの位置にあり、武茂川西岸の比高120m程の山上に築かれている。北麓の廃屋の脇から登道が付いており、ほとんど迷うことなく訪城できる。細長い主郭と、前面の前郭、西側の帯曲輪などから構成されている。前郭は東西に虎口があり、前面下方に穿たれた堀切に通じている。この堀切の下方の斜面にも数段の段曲輪が見られる。主郭の北東部にも段曲輪があり、その先の細尾根に竪堀も見られる。主郭は内部がいくつかの段に分かれているが、あまり段差がはっきりしない。また両側面が一段低くなっているが、これもあまり段差が明瞭ではなく、全体にのっぺりした構造である。主郭後部は円弧状となっており、その下に円弧状堀切が穿たれている。この堀切は、南西部は外側にもう1本堀切が穿たれて、二重堀切となっている。内堀に当たる円弧状堀切は、西端部と中央やや東寄り、それと東端部に合計3本の竪堀が落ちている。竪堀は主郭西側の腰曲輪からも落ちている。この他、南西の尾根の先にもう1本、堀切が穿たれて城域が終わっている。以上が上郷要害城の遺構で、大山田氏の本拠である下郷要害城などと比べると、より防備を固めた出城であったように思われる。
西帯曲輪と主郭切岸→DSCN7766.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.812609/140.207584/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世山城
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