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安居城(富山県南砺市) [古城めぐり(富山)]

DSCN8724.JPG←主郭周囲の腰曲輪
(2020年11月訪城)
 安居城は、歴史不詳の城である。現地解説板によれば、規模や構造から見て室町~戦国時代に在地の勢力が、小矢部川の水運と山麓の陸路を押さえる目的で築いたと推測されると言う。また室町時代の越中の棟別銭に関する記録(東寺百合文書)に、足利一門の斯波高経の5男義種の子満理の側近として「安居弥太郎守景」が見えており、地名を冠した当地の豪族だったとすれば、この城の城主であった可能性が考えられる。

 安居城は、標高122m、比高70m程の丘陵上に築かれている。北西の用水池前の車道脇に城の解説板があり、そこから山中に入って南の尾根に登り、尾根上を東に向かえば城に至る。丘陵基部に堀切を穿ち、その東に高さ3m程の切岸で囲まれた主郭を置いている。主郭内は削平甘く、東に向かって傾斜している。外周には腰曲輪が1段廻らされ、北西部では横堀となっている。北東には緩斜面が広がるが、前述の腰曲輪にはこの斜面に向かって虎口が築かれ、その先にも段差や土塁状の土盛り、堀状の通路が見られることから、前衛の曲輪があったらしい。しかし、ダラダラと斜面が続いているので、どこまでが城域であったのかは明確ではない。城の形態から見る限り、戦国期以前の古い形態の城と考えられる。
主郭西側の堀切→DSCN8690.JPG
DSCN8723.JPG←北東斜面の土盛り

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.593479/136.880862/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


図説 室町幕府

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  • 作者: 丸山裕之
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  • 発売日: 2018/06/05
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タグ:中世山城
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