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郷柿沢館(富山県上市町) [古城めぐり(富山)]

DSCN3507.JPG←水堀と土塁
 郷柿沢館は、堀江荘の国人領主土肥氏の一族の館である。館主は土肥孫十郎、土肥弥太郎、土肥源太郎、土肥孫太郎などの名が伝わるが、明確にできない。天正年間(1573~92年)に弓庄城主土肥美作守政繁が佐々成政に敗れた後、病弱で戦いに出陣できなかった郷柿沢館主土肥弥三五郎は、佐々勢に降伏して帰農したと言う。また石山合戦に参加していた椎名兵部(松倉城主椎名康胤の子)が越中に帰国後、招かれて西養寺を開基したと伝えられる。

 郷柿沢館は、現在は西養寺の境内となっている。寺の周囲に土塁が廻らされ、外周に水堀も残っている。訪城が晩夏であったのでまだ草木が鬱蒼としており、きちんと確認できない部分も多かったが、南東部の虎口跡と土橋が藪の中に確認できた。薮が多くてわかりにくかったが、水堀が食違いとなった虎口で、虎口位置と土橋の位置も若干東西にずれているとのことである。また東側の水堀は、民家の裏なので近づくことができなかった。小規模な城館であるが、遺構はよく残っている。冬場に訪城した方が、遺構がよく確認できるだろう。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.718935/137.368326/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


越中中世城郭図面集 2(東部編(下新川郡・黒部市・

越中中世城郭図面集 2(東部編(下新川郡・黒部市・

  • 作者: 佐伯哲也
  • 出版社/メーカー: 桂書房
  • 発売日: 2012/05/01
  • メディア: 単行本


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