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佐久山館要害(栃木県大田原市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN0249.JPG←堀切と二ノ郭切岸
 佐久山館要害は、この地の土豪大輪氏の要害と伝えられているが、大輪氏の事績は不明で、築城年代も不明である。

 佐久山館要害は、那須与一宗隆の父資隆が築いたと伝承される高館城の南東に隣接して築かれている。高館城の南の駐車場から、東に尾根を進んでいくと登りの尾根となり、すぐに段曲輪群が現れる。ここからが佐久山館要害の城域となる。段曲輪群の中ほどには片堀切状の窪地がある。段曲輪群を登り切ると、尾根上には二ノ郭がある。二ノ郭はL字型をした曲輪で、その一番奥に高台となった主郭が置かれている。ただ主郭と二ノ郭の間の段差は傾斜が緩く、あまり明確には区画されていない。主郭・二ノ郭の周囲には腰曲輪が延々と築かれており、その一部は横堀となっている。二ノ郭の北東には堀切を挟んで三ノ郭がある。三ノ郭は細長い曲輪で、先端はL字に曲がって北に向かって下る尾根となっているが、ここには段曲輪群が築かれている。この段曲輪群の東側方には坂道状の腰曲輪が築かれている。三ノ郭には、南側から東側にかけて横堀が構築されているが、この外周の横堀は一部で腰曲輪+土塁の形状となっている。佐久山館要害は、比較的素朴な縄張りの城で、戦国時代以前の構築を想像させる。
主郭周囲の横堀→DSCN0228.JPG
DSCN0272.JPG←三ノ郭周囲の横堀

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.906752/140.131763/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f0


中世の下野那須氏 (岩田選書 地域の中世)

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  • 出版社/メーカー: 岩田書院
  • 発売日: 2017/06/01
  • メディア: 単行本


タグ:中世山城
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