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与縄館(山梨県都留市) [古城めぐり(山梨)]

DSCN3581.JPG←主郭西の空堀
(2021年2月訪城)
 与縄館は、歴史不詳の城館である。伝承では谷内(口)豊後守という武士の居館であったと言うが、その事績は不明である。郡内の領主小山田氏の本拠中津森館に近いことから、小山田氏に関連する城館との見方もある。

 与縄館は、旭川南岸の段丘上に築かれている。段丘崖に沿って東西に3つの曲輪が並んでおり、中央に方形の主郭があり、空堀を挟んで西に西郭、同じく空堀を挟んで東に東郭が並立している。主郭は前述の通り東西を空堀で分断されており、現在は畑となっている。北側には2段ほどの腰曲輪が築かれている。西の空堀は幅が広い箱堀で、北斜面では中央に土塁を残した二重竪堀となって落ちている。東の空堀は薮がひどく形状が確認できない。西郭は耕作放棄地で薮に覆われている。東郭は木が生えた空き地で、北の腰曲輪らしい平場は宅地になっている。西郭の西側と東郭の東側は、共に深い沢で隔絶されている。これらの遺構群の後ろ(南側)には防御構造がなく、そのまま緩斜面に接している。与縄館は、遺構は残っているが、後世の改変のせいもあるのか縄張りは少々中途半端である。
主郭東の空堀→DSCN3571.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.560099/138.940905/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


甲斐の山城と館〈下〉東部・南部編―縄張図・断面図・鳥瞰図で見る

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  • 作者: 宮坂 武男
  • 出版社/メーカー: 戎光祥出版
  • 発売日: 2014/07/01
  • メディア: 単行本


タグ:中世崖端城
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